■ケース8)30代後半以上恐らくずっとカップル
プロフィール/夫(40歳・正社員・年収700万円)、妻(38歳・正社員・年収400万円)
資金計画/物件価格5500万円・頭金1500万円・住宅ローン4000万円
共働きを続けているうちに、40代にさしかかったというカップルもいるでしょう。このまま夫婦ふたりで生涯を過ごすなら、リタイア後も見据えて、ゆとりある暮らしを実現できる住まいを手に入れたいと考えることもあるでしょう。
そのためには、今のうちから準備をしておきたいものです。特に、都心部の比較的高額なマンションを検討しているなら、住宅ローンが借りやすく計画的な返済がしやすい今のうちに、住宅ローンを組んで、リタイアするまでに完済の目途をつけておくことをお勧めします。ここでは、物件価格5500万円のマンションを4000万円の住宅ローンを利用して購入する場合で考えてみます。
■資金プラン1:夫婦それぞれに20年返済で住宅ローンを借りる
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借 入 額 |
返済期間 |
金 利 |
毎月返済額 |
夫 |
全期間固定プラン (20年固定) |
2500万円 |
20年 |
2.80% |
13万6159円 |
妻 |
全期間固定プラン (20年固定) |
1500万円 |
20年 |
2.80% |
8万1695円 |
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4000万円 |
− |
− |
21万7854円 |
※みずほ銀行の平成20年12月時点の優遇金利で試算
恐らくずっと共働きというカップルなら、夫婦でそれぞれの収入に見合う住宅ローンを借りて、リタイアまでに完済できるよう、20年返済にするのがいいでしょう。資金プラン1では、夫が2500万円、妻が1500万円の住宅ローンを借りる想定で試算しました。これなら20年返済にしても、それぞれの収入に占める返済額の割合(返済負担率)は25%以内ですから、無理な資金計画ではありません。毎月の夫婦の返済額は合計で22万円近くになりますが、定年時には住宅ローンを完済しています。定年後の収入がダウンする時期に、住居費用は管理費・修繕積立金程度になりますので、家計にゆとりができるでしょう。
■資金プラン2:ノンバンク系の住宅ローンを利用した場合
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借 入 額 |
返済期間 |
金 利 |
毎月返済額 |
夫 |
固定金利特約期間 (20年) |
2500万円 |
20年 |
2.45% |
13万1867円 |
妻 |
固定金利特約期間 (20年) |
1500万円 |
20年 |
2.45% |
7万9120円 |
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4000万円 |
− |
− |
21万0987円 |
※住信SBIネット銀行の平成20年12月時点の優遇金利で試算
資金プラン1では、都市銀行の住宅ローンを利用しましたが、より低金利のノンバンク系の住宅ローンを利用したのが資金プラン2です。金利が低い分だけ、毎月返済額はダウンします。ただし、金融機関の事務手数料が2.1%必要なので、4000万円借りる場合は借り入れの際に84万円の費用がかかります。
また、上記の資金プランはいずれも、定年まで雇用が安定している場合のプランです。夫婦いずれかの勤務先に雇用不安があるなら、ローンの借入額を減額したほうがいいでしょう。また、この先子どもができる可能性があるなら、妻の住宅ローンの額は退職金の範囲内にするなど、あくまで無理のない範囲の借入額に抑える必要があります。
●ノンバンク系の住宅ローン
住宅ローンは、都市銀行や地方銀行、信託銀行、労働金庫のほかにも、JAや住宅ローン専門会社、保険会社、信販会社といったノンバンクでも取り扱っています。
住宅金融支援機構が提携している「フラット35」に代表される、モーゲージの方式を採る住宅ローンも増えています。これは、銀行のように預金を集めてローンを貸し出すのではなく、住宅ローンを証券化して投資家などから資金を集め、これを住宅ローンとして貸し出すというシステムを採るものです。また、最近低金利で注目されているのが、ネット専用銀行でしょう。
ネット専用銀行やモーゲージバンクの多くは、窓口による対面相談をしておらず、カスタマーセンターによる電話相談やインターネットによる融資申し込み手続きを行っています。金利は低くても事務手数料の費用がかさんだり、保証料が不要だったりなど、銀行とは商品やサービスが異なりますので、複数の住宅ローンをよく比較して、自分たちに適したものを選ぶようにしましょう。
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