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築年別中古マンションの評価ポイント:第6回 




第6回:ペット可マンションなら築浅物件に絞り込む

住宅問題評論家 山下 和之


▼2人以上の世帯の半数近くはペットを飼育

 子どもが少なくなり、少世帯化が急速に進行していることもあって、ペットを飼育する家庭が増えています。
 ペットフード工業会の調査によると、図表1にあるように、2人以上の世帯では、犬を飼っている世帯が23.4%で、猫を飼っている世帯が13.2%に達しています。そのほか、小鳥、金魚、熱帯魚などを合わせると、半数近くの世帯が何らかのペットを飼育しているようです。一方、単身世帯でペットを飼育している人はさほど多くはありません。特に毎日の散歩が必要な犬の飼育は難しいようで、犬を飼っている世帯は5.8%に下がり、むしろ猫が6.1%と若干ですが多くなっています。
 このように、単身世帯での飼育率はかなり低くなっていますが、潜在的な飼育希望者はもっと多いのではないでしょうか。犬や猫を飼いたいけれど、いまのマンションでは飼育が認められていないし、ひとりでは世話もたいへんと、ペットの飼育をガマンしている人が少なくないものとみられます。

図表1 ペットの飼育率 (単位:%)
ペットの飼育率
(資料:ペットフード工業会『犬猫飼育率全国調査』)

▼マンションではペットを巡るトラブルが絶えない

 それだけに、ペットを飼育できるマンションを探している人も少なくないでしょう。最近の新築マンションでは、後に触れるようにペット可のマンションが増えてきましたが、中古マンションとなると、なかなか見つからないのが現実です。このため、マンションの管理規約でペットの飼育は禁止されているのに、無断でペットを飼っている人もいるようです。このため、マンションではペットの飼育を巡るトラブルが絶えません。
 国土交通省の調査では、8割以上のマンションで居住者間のトラブルが発生していますが、そのなかでもペットの飼育を巡るトラブルがけっこう多いのです。図表2にあるように、「違法駐車・違法駐輪」「生活音」に次いで、「ペット飼育」を巡るトラブルが3位に上がっています。
 ペットの好みは人それぞれですし、子どものころの経験がトラウマになってペットが好きになれない人、またアレルギーなどで体質的に受け入れられない人もいます。それだけに、ペットの飼育を希望する人は、キチンと管理規約で認められ、足洗い場などが設置され、飼育していない人や体質的に問題のある人とも上手に共存できるようなマンションを選ぶ必要があります。

図表2 居住者間のマナーめぐるトラブルの具体的内容(単位:%)
居住者間のマナーめぐるトラブルの具体的内容
(資料:国土交通省『マンション総合調査』)

▼10年前までの新築は、ほとんどペット不可

 実は、管理規約でペット可となっているマンションが増えてきたのは、つい最近のことです。不動産経済研究所の調査によると、図表3にある通り、1999年には首都圏新築マンションに占める割合は3.1%にとどまっていました。それが、その後急速に増加して、2002年には34.6%とほぼ3戸に1戸の割合になり、2004年には半数を超え、2006年は74.5%と4戸に3戸の割合程度までに増加しました。いまや、新築マンションではペット飼育可能なマンションが主流になっているわけです。
 ただ、2006年には、ペット設備をつけたマンションの割合は低下してしまっています。2004年、2005年分譲のマンションのほうが、各種設備がついている割合が高くなっているのです。
 マンション販売を促進するためだけに「ペット可」として、ペットを飼わない世帯への配慮のないマンションでは、ペットトラブルが多発して、マンションの資産価値の低下にもつながりかねません。ペットを安心して飼育でき、資産価値を維持しやすい物件を選ぶためには、管理規約でキチンと飼育方法などが規定され、各種の設備も充実している2004年、2005年分譲の築浅物件にターゲットを絞るのがよさそうです。もちろん、そうした築浅物件が中古市場に出てくる可能性はあまり高くないでしょうが、ジックリと探せばかならず見つかるはずです。

図表3 首都圏新築マンションのペット可割合推移 (単位:%)
首都圏新築マンションのペット可割合推移
(資料:不動産経済研究所『新規マンション・データ・ニュース』)



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