新築マンションの内覧会では、壁紙やフローリングといった表面上のきずや汚れの指摘に終始してしまいがちですが、まずは基本的なことからしっかり確認することが大切です。
なぜなら、本来機能しているであろうと思われるさまざまな設備機器が、実はしっかり機能していない場合があるからですね。
それでは、設備機器のひとつである「換気設備」が、しっかり機能しているかどうかを確認する方法をお知らせします。
ちなみに、「換気設備」とは、簡単に言うと換気扇のことですから、まずは換気扇のスイッチを入れ、換気扇が動くかどうか確認してみましょう。
このとき大切なことは、スイッチを入れて「ブーン」と音がしただけで正常に機能していると勘違いしてはいけない点です。
(キッチンレンジフード内の換気扇)
なぜなら、換気扇の役割は汚い空気をきちんと吸い込むことですから、本当に空気を吸い込んでいるかどうか調べてみないと、しっかり機能しているかどうか確認したことにならないからです。
たまに見かける不具合として、「ブーン」と音がしているのに汚い空気を吸い込むどころか、反対に空気を吐き出していることがありますのでよくよく注意して確認してみましょう。
では、その確認方法ですがこれがとても簡単なんです。
まずは、レンジフード内の蓋を開いてみましょう。
蓋を開くとこのような網状のパネルが見えますので、換気扇のスイッチを入れ、A4程度の紙をあててみます。
少しすると換気扇が勢いよく空気を吸い込みますから、紙がパネルにへばりつきます。
スイッチを切るとこの紙が落ちてきますので、これで空気をしっかり吸い込んでいることが確認できます。
このような方法で、つぎはトイレの換気扇も確認してみましょう。
(トイレ天井に設置された換気扇)
(トイレ天井の換気扇拡大画像)
換気扇のスイッチを入れ、同じように紙を近づけると紙が換気扇にへばりつきます。
浴室も同様の調べ方ですね。
(浴室天井に設置された換気扇)
換気扇のスイッチを入れ、やはり紙を近づけると紙がへばりつきます。
このような方法で換気扇が空気をしっかり吸い込んでいることが確認できたら、つぎは吸い込んだ空気がしっかり外部に排気されているかどうかも確認しなければなりません。
そこで今度は、共用廊下やバルコニーに出て、外部に設置された排気口から空気がしっかり排気されているかどうか確認してみます。
(お部屋の外に出てみると、外壁のやや上のほうに排気口が見つかります)
(外壁上部に設置された排気口)
この排気口から汚い空気が外部に排気されますので、しっかり排気されているかどうか確認します。
排気確認には、先端に吹流しを付けた棒を使用します。
(排気口は高い所にありますから伸び縮みする棒がとても便利です)
では確認してみましょう。
やはり各所の換気扇のスイッチを入れ、排気口にこの棒を近づけてみます。
棒を近づけると吹流しが勢いよく流されます。
ちなみに、換気扇の排気口は数箇所に分かれていることが多いので、全ての箇所を同じように調べていきましょう。
以上のように、換気設備の確認はただスイッチを入れるだけではなく、汚い空気をしっかり吸い込み、しっかり外部に排気されているかどうかまで確認することでしっかり機能していることが分かりますから、内覧会のときにはぜひ試してみて下さいね。
三上隆太郎(みかみ りゅうたろう)
住宅営業として新築住宅販売に携わった後、家業の建設会社にて施工経験を積み、 (株)さくら事務所参画。
熱意あるアドバイスが好評をよぶコンサルタント。不動産・建物調査のマルチプレーヤー。
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