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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.23 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

「月とコーポラティブハウス」

(株)アーキネット代表 織山 和久

(1)リビングから眺める月

二階リビングは二層分の吹抜け。大きな開口部から月が眺められる

 風や光が心地よく入りこむ住まい*1では、居ながらにして月を眺められる。
 そんな思わぬギフトに巡り合えることがあります。つまり朝昼夕、そのときどきに応じて日の光が入るように、どの場所にも風が通る道ができるように複数の開口部を設けることで、そうした窓から夜になると月とその移ろう様子が眺められるわけです。
 夕食や入浴などを終えて、就寝前をゆっくりとリビングで過ごすひととき。間接照明で明かりを落としているリビングには、陰翳が宿っています。そして静かに音楽(マイルス・デイヴィス「カインド・オブ・ブルー」などが似合うでしょうか)がかかる中で、ふと東南方向に吹抜けの窓を見上げると、ぽっかりと月が浮かんでいます。

 月をぼんやりと見つめているうちに、呼吸もゆっくり深くなって、いつの間にか自分の時間を取り戻したかのようです。そうして、過ぎ去った時間、これから来る時間にとりとめのない思いが及んでいきます。新月や三日月、半月、満月と形が変わっていくのも、大きな時の流れを静かに感じさせてくれます。
 月を眺めると、時の刻みが深くなるようです。

(2)天窓と月光浴

光庭の底から天窓を見上げる。ここに満月がかぶると底まで月光が注がれる
中庭に面して二層全面を開口にとる。中庭にも反射しつつ月明かりが空間を包む

 天窓は、普通の窓の3倍の明るさ*2があります。周囲の視線も気にせずにすむので、建て込んでいる環境などで、日照を取り込む設計上の工夫として低層のコーポラティブハウスでも重宝されます。この天窓に、深夜、ちょうど満月がかかるときがあります。天窓の下の吹抜けの底まで、月の光が静かにいくつもの筋をなって注がれます。消灯すると、微かに青白い色合いが、部屋の中に滲むように広がります。いつもの部屋が別の世界のような静謐で幻想的な光景に変貌し、子どもたちの寝息を耳にしながらいつまでも眺めてしまいます。以前、写真集「月光浴」*3が評判になりましたが、自宅で月光浴とは思いがけないものです。一年に何度も体験するわけではないのですが、天窓のある住まいならではの魅力です。

(3)夜の深さを味わう

 ほのかな月明かりは、陰翳を一層深く感じさせます。コーポラティブハウスでは、建築家の考え方に従って、のびやかで明るさがふさわしい場所に大きな開口部をとります。月明かりは微かなものですが、大きな開口部いっぱいの窓から入れば、壁や床に反射しながら空間全体を静かに照らします。
 月明かりが重ねた陰翳は、昼の間には意識することはないのですが、時間や空間にしっとりとした重みを与えます。意識からは、いつの間にか壁や天井といった空間を囲うモノが消えて、自分の身体を包む空間がまるで塊のようも感じられてきます。何となく、世界内存在といった言葉が頭をよぎります。
 月のもたらすこうした不思議な一体感から、昼間のストレスなどからもすっかり解放された気分にもなります。その後はぐっすりと眠ることができるでしょう。

 住まい探しのときに、「日当たりは?」と問うついでに「月はどこに?」と聞いてみるのはいかがでしょうか?建築家とつくるコーポラティブハウスでは、光や風を心地よく導くプランになりますので、おのずから月を味わう暮らしが楽しめるのではないでしょうか。

*1 http://www.mansion-hyoka.com/page/arch06
*2 建築基準法施行令第20条 有効採光面積は・・・天窓にあってはその開口部の形状により最大3.0を乗じた数値とすることができる。
*3 石川賢治「月光浴」小学館 1990
筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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